レゴでこんなことも出来るの?今話題の「ロボット教室」ではレゴを使ったロボットづくりからプログラミングまで教えてもらえます

ロボット教室の多くで使っているレゴのロボットとは?

ロボット教室では、どんなロボットを使っているのでしょうか。
ロボット教室で多く使用されているロボットは、レゴ社が開発・販売しているロボットです。「レゴで作ったロボットなの?」と驚く親御さんもおられると思います。
レゴはみなさんご存知の、全世界で愛されているブロック玩具です。赤ちゃんから使える大きなブロックから、とても小さく繊細なものまでさまざまなサイズのものが販売されています。組み合わせ次第でなんでも作ることができ、子どもたちの想像力・創造力を育ててくれます。
また、脳と深く関わっているといわれる指先を細かく動かすため、育脳にも役立つとして日本でも人気があります。

そんなレゴ社には、レゴエデュケーションという部門があります。教育機関向けの教材やソフトなどを開発している教育専門部門で、1980年に誕生した歴史ある部門です。デンマークに本社を置くレゴ社では、世界中の国に向けて教材・ソリューションを発信し、日本でも多くの教育機関などが活用しています。

特に人気が高いのが、レゴエデュケーションのロボットたちです。ロボットのボディをおなじみのレゴで組み立て、やはりレゴブロックのひとつであるスマートハブやインテリジェントブロックと呼ばれる頭脳部分に、子どもたち自らがプログラミングをしていきます。
子どもたち、とくに男の子なら一度はレゴでロボットを作ったことがあるという子が多いのではないでしょうか。
レゴエデュケーションのロボットなら、こうして作ったロボットに、命を吹き込むことができるのです。

レゴエデュケーション製のロボットは、主にレゴ®WeDo2.0と教育版レゴ®マインドストーム®EV3と呼ばれるものです。
レゴ®WeDo2.0は小学生向けに開発されたレゴロボットです。教育版レゴ®マインドストーム®EV3は、小学生から使うことはできますが、大学生や大人でも楽しめるハイクオリティな頭脳を持ったロボットです。これらのレゴロボットを使ってプログラミングやコンピュータの初歩を学ぶ教室がたくさんあり、ロボテックも使用しています。

 

レゴを使ってどんな種類のロボットが作れるのか

では、レゴ®WeDo2.0と教育版レゴ®マインドストーム®EV3はどんなロボットが作れるのでしょうか。
まず基礎的なレゴ®WeDo2.0から見ていきましょう。さまざまなレゴがセットになっており、その他にバラバラにならないようにシールで分別できる専用の収納ケースもついています。ボディを作るためのレゴは、自分の好みに合わせていろいろな形に組み上げることができます。置いておくだけでもインテリアになりそうな、可愛いデザインのロボットがいろいろ作れますよ。

専用ソフトの中に組み立て方の説明書も入っているので、ご紹介しましょう。まずは大きな目がキュートな探査機マイロですね。まるで人気アニメのキャラクターのようなフォルムで、レゴ®WeDo2.0のロボットといえば、この子を思い浮かべる人が多いかもしれません。
その他にもプルロボットをはじめ、レースカー、カエル、ヘリコプター、トラックなどが作れます。変わったものでは地震発生機や水門、花とミツバチといったセットも作れるようになっています。自分の好みに合わせてフォルムを選ぶことができるので、女の子でも男の子でも楽しめますよ。これらのフォルムは組み立て説明書がありますが、手持ちのレゴをプラスするなどして、自分だけのすごいロボットに改造してしまうとも可能です。

教育版レゴ®マインドストーム®EV3は、おそらく合理性が追及された結果と思いますが、シャープなフォルムとなっています。そのムダの無い感じが理系ならではの格好良さを感じさせます。
組み立てモデルの例としては、ジャイロボーイやトレーニングロボット・ロボットアームやカラーソーターなどに仕上がります。ジャイロボーイはもっとも人型に近いロボットのフォルムといえます。トレーニングロボットは車のように動くタイプと言えるでしょう。ロボットアームは、工場などで実際に作業をしている工業用ロボットそのものです。
それぞれカラーリングのシンプルさもあって、レゴブロックから作り出されたとは思えない精巧さを感じさせます。とは言えレゴなので、子どもたちが自分の手で組み立てることが可能です。
それでは、次の項から組み立てたロボットたちをどう動かしていくのかを見ていきましょう。

 

作ったロボットをどうやって動かすの?

ロボットのカタチを作るだけなら、お手元にある普通のレゴでもできますよね。我が家でも、日夜子どもたちがレゴを使ってロボットや戦艦・宇宙船などをせっせと作っています。でも、普通はここまで。作った作品で「ごっこ遊び」をすることはできますが、実際のロボットのように自分で動くことはありません。
レゴWeDo2.0と教育版レゴ®マインドストーム®EV3なら、それができてしまうんです。そのための、頭脳となるパーツが特別に付属しているからです。

レゴ®WeDo2.0には、ボディを作るためのピースのほかに、スマートハブと呼ばれる核となる頭脳部分のブロックと、動かすためのパワーモーターM、周囲にあるモノを感知するセンサー、自身の傾きや揺れなどを感知するセンサーが付属しています。ロボットを組み立てる時にこれらをロボット内に組み込むことで、見た目だけのロボットではなく、いろいろな動きができるロボットに仕上がるのです。

教育版レゴ®マインドストーム®EV3の頭脳部分は、インテリジェントブロックと呼ばれています。インテリジェントブロックには、レゴ®WeDo2.0よりもはるかに複雑なインターフェイスやセンサーを接続することができます。インタラクティブサーボモーターはLサイズを2つ、Mサイズを1つなぐことができ、それぞれ回転センサーを内蔵して角度制御や計測を行います。インタラクティブサーボモーター3つのほかには、センサー類を4つつなぐことが可能です。タッチセンサーは押されたり離れたりした状態、接触した回数の計測などを行います。ジャイロセンサーは傾きや角度を計測します。カラーセンサーは色認識のほか、周辺の光や反射光の計測を行います。超音波センサーは距離を測定し、障害物を探知するセンサーです。これらのセンサーの「できること」を見ると、まさに神経や耳目、手指などの感触と同じだということがわかりますよね。インテリジェントブロックにモーターをつなげることで動きを可能にし、各種センサーをつなぐことでさまざまな指示を行動に移したり、データを取ることができるようになっているのです。

 

プログラムは主にiPadなどのタブレットを使って行う

レゴ®WeDo2.0と教育版レゴ®マインドストーム®EV3で組み立てられたロボットたちは、iPadなどのタブレットや、ノートパソコンに専用のアプリをダウンロードしてプログラミングを行います。専門知識のない子どもたちも、わたしの説明を聞いて、簡単にプログラミングができるようになっていきます。

一般にプログラミングというと、文字や英数字などを地道に打ち込んでゆく「コーディング」を思い浮かべるかもしれません。でもレゴ®WeDo2.0と教育版レゴ®マインドストーム®EV3のプログラミングは、アイコンを操作するだけでできるんです。
専用のソフトやアプリをパソコンやタブレットで立ち上げると、可愛いレゴブロックの形をしたアイコンが登場します。ブロックは主に動作を表し、それらをレゴと同じように組み合わせていくことで、一連の動きの指示、つまりプログラミングができてしまうのです。Bluetoothでプログラムを転送させるので、手元のタブレットからの指令でロボットが動くという仕組みになっています。教育版レゴ®マインドストーム®EV3の場合は、BluetoothのほかにWi-Fiにも対応しています。

タブレットを使ったスマホゲームのような感覚で、ドラッグ&ドロップを繰り返してプログラミングを行うので、飽きっぽい子どもたちも夢中になってプログラミングを覚えていきます。教育版レゴ®マインドストーム®EV3は、より複雑なプログラムにも対応しており、並行処理プログラムなども行えます。

レゴ®WeDo2.0と教育版レゴ®マインドストーム®EV3はマサチューセッツ工科大学ととても強いつながりを持っています。
レゴ®WeDo2.0はマサチューセッツ工科大学で開発・公開されているスクラッチというプログラミングソフトで動かすことができます。
教育版レゴ®マインドストーム®EV3は、マサチューセッツ工科大学が共同開発したロボットです。どちらも子どもたちのプログラミング教育を目指して開発されているため、プログラミング的思考力を伸ばすためのカリキュラムが組めるようになっており、重要とされる仮説力や発想力・創造性などが遊び感覚で鍛えられるようになっています。

ロボテックでは少人数制のグループ活動を採用しているため、チームの仲間たちとのコミュニケーションが欠かせません。近年失われつつあると言われるコミュニケーション能力を鍛え、さらに自分の考えを論理的にまとめ、上手にアウトプットするプレゼンテーション能力も磨くことができます。
プログラミングの勉強というと、パソコンやタブレットに向かって黙々と行うイメージがありますよね。でもロボット教室では、仲間と話し合い、笑い合いながら自分の考えをどんどん出して取り組んでいくことができます。失敗することも、ちゃんと動かないこともあります。そういった壁に直面しても、何度も仲間とやり直して成功への道筋を見つけ出す、トライ&エラーを繰り返す訓練も行えます。

ロボットを動かすためのプログラミング。それはひとつひとつ丁寧に、いろいろな事態を想定して指示を積み重ねていかなければなりません。その地道な努力の先に、驚きや喜びが待っています。
一見、次世代的な世界を学べるロボット教室ですが、その根底には子どもたち自らが持つ創造性や好奇心・感受性が強く関わっています。教科をひとつずつ教える学習塾とは異なり、子どもたちの持つ可能性を自由に伸ばす場所、それがロボット教室と言えるのかもしれません。

とーたか博士

とーたか博士

1975年佐賀県生まれ。 2003年インターネットの世界へ。当時アニメーションを制作する際に使われたFlashで「ActionScript」というプログラミング言語に触れ、プログラムの面白さを知ることに。 2005年に浜松町のWeb制作会社に勤務。10年以上にわたりウェブディレクターとして大手中小企業様のWebサイトを手がける。 「クリエイティブ力」の大切さと重要性に気づき、2017年に未来のエンジニアを育てる「ロボット教室のrobotec」を開校。