小学生のプログラミング教室が今人気。2020年より始まる小学校でのプログラミング授業との関係

2020年から小学校でプログラミングの授業が始まる

東京オリンピックが開催される2020年。この年は、日本国内でさまざまな変革が予定されている変化の年でもあります。
特に小さなお子さんをお持ちの親御さんにとって、大きな関心事となっているのが、教育の指標とされる学習指導要領の改訂ではないでしょうか。2020年から導入される新学習指導要領は、2017年の春に発表されました。それに向けて、教育現場となる学校はもちろん、小さなお子さんを持つ親御さんや学習塾など、お子さんの教育に関わる機関の中にはすでに準備をスタートしているところが増えています。

2020年からスタートする新学習指導要領の中で、もっとも大きな変化のポイントは「英語学習」と「プログラミング教育」でしょう。
英語は現在、小学校5年生から学校の授業の中に組み込まれています。しかし教科として成立しているわけではなく、ネイティブイングリッシュと触れ合い、英語圏の文化を知ることで、英語を学ぶための素地を作ることが目的の時間となっています。
しかし2020年からはこうした英語学習の時間が、3年生からスタートすることになっています。さらに5年生からは、現在の中学校英語と同様、成績がつく「教科」となります。

それと同時にスタートするのがプログラミング教育です。プログラミング教育と言われても「ちょっと想像ができない」という親御さんもまだまだたくさんおられますよね。また、英語教育と同じように「子どもの成績に関わってくるのかしら…」と不安に感じる親御さんもおられるのではないでしょうか。
それでは、小学校で始まるプログラミング授業とはどんなものなのでしょうか。次項では2020年から始まるプログラミング授業の内容について詳しく見ていきます。

 

小学校で始まるプログラミング授業の内容とはどんなもの?

小学校で始まるプログラミング授業の内容とはどんなものなのでしょうか。
まずポイントとなるのが、「プログラミング」という「科目」ができるわけではない、ということです。
現在、小学校高学年における英語教育は、不定期に授業が行われている状態です。その授業の中ではネイティブスピーカーの先生が子どもたちとコミュニケーションを取りながら、さまざまな遊びや歌などを通して英語の楽しさを体感させていきます。そういった意味では、成績はつかないものの、「英語の授業」の時間が設定されていると言えますよね。

でも、今回はじまるプログラミングの授業は、「プログラミング」という授業時間が特別に設けられるわけではないのです。


それでは、どんな形でプログラミングを学ぶのでしょうか。
小学校段階でスタートするプログラミング学習は、私たちが一般的に想像するプロフェッショナルなプログラマーや大学生、専門学校生などが行っている高度な「プログラミング」とはまったく異なります。
難解な数字や文字の羅列でできている、いわゆる「プログラミング言語」を打ち込んで、コンピュータにさまざまな処理を記憶させていくことが、「プログラミング」だと思っている方は少なくありませんよね。
このプログラミング言語を使用したコンピュータ処理のことを「コーディング」と言うのですが、今回小学校で学ぶことになる「プログラミング」とはちょっと異なるのです。
コーディングもプログラミングを学ぶためには必要なピースのひとつではあるのですが、それだけが文部科学省の推進する「プログラミング学習」ではありません。
今回進められている「プログラミング学習」は、私たちの暮らしを支える基盤となっている「コンピュータ」の世界を、より身近なものに感じられるための学びの機会として設けられます。
コンピュータは「よくわからないけれど暮らしを便利にしてくれる不思議なモノ」ではなく、先達たちのたゆみない学習と努力によって創られてきた「知の産物」であること、そして未来を担う子どもたちが日々新しくしてゆくものだという「つながり」を理解するために、さまざまなツールを通して学んでいきます。

小学校では、現行のさまざまな授業の中でプログラミングを学んでいきます。まずは総合的な学習の時間において、情報に関する課題の中で取り扱われます。
総合的な学習は、地域や環境・情報といった私たちの身近なものに対する探究心を伸ばし、学びに結び付けていく授業です。ここではプログラミングと情報、そして私たちの暮らしの関係性について考えていくことになります。
理科の授業内では、電気やエネルギーについて学ぶ際に、プログラミング的な考え方やプログラミングの体験を学びます。私たちの生活の中には、センサーライトのようにちょっとしたものの中にもコンピュータが浸透しています。こうした身近なものから、コンピュータやプログラミングについて学習してゆくのです。

それ以外でも、算数や音楽、図画工作などの授業内でプログラミングについて学んだり、プログラミングを通してより理解を深めていく機会が設けられる予定です。
さらにクラブ活動でも、プログラミングを積極的に活用していくことが明示されています。授業では取り上げられない、より専門的なプログラミングやコンピュータについて学ぶクラブが創設されるだけではありません。これまでにあったクラブ活動の中にも、プログラミングを取り入れていくことが勧められています。

 

なぜ小学校でプログラミングの授業が始まるの?

それでは、なぜ小学校でプログラミングの授業がスタートすることになったのでしょうか。
英語については、なんとなく「言語を覚えるには早期教育が大切だから」など、理由がわかるような気がしますよね。
では、プログラミングの授業はどうなのでしょうか?
それを知るためにはまず、プログラミング学習でどんなことを学ぶかを知ることが大切です。
前項でも少しお話しましたが、プログラミングはさまざまな授業の中で少しずつ学んでいくことになります。そして、プログラミングの学習とは、私たちがすぐに思い浮かべる「プログラミング言語を用いたコーディング」(難解な数字や記号・文字などの羅列を打ち込み、コンピュータに思い通りの処理をさせること)を学ぶものではありません。

プログラミングの授業、プログラミングの学習とは、「プログラミング的な思考力を身につける」ことを目的としたものです。
「プログラミング的な思考力」とは、論理的にものごとを考える力のことです。物事を円滑に進めたり、スムーズに処理したりするためには、手順を踏む必要がありますよね。手順を正しく踏むためには、完成や解決といった「ゴール」にたどり着くまでの「先の手」を見通す力も必要になります。こうした「先々を見通し、ゴールまでの手順を考え、順番通りに処理してゆく」ことを、プログラミング的思考と呼びます。

「コンピュータの学習」や「プログラミング処理」というと「取っつきにくい」と感じてしまいます。でも、プログラミング的思考は、実は私たち社会人が毎日を平和かつ健康的に乗り切るために、自然と行っている合理的なものの考え方とよく似ていると思いませんか。
こうした合理的なものの考え方を、私たちは長い学生時代の人間関係や、社会に出てからのさまざまな軋轢の中で学び体得してきました。
しかしこれからの時代、私たちを取り巻く環境にはもっとコンピュータやAI(人工知能)が進出してきます。Windows95が発売されてより現在まで、瞬く間にパソコンや携帯電話が世の中を席巻してしまったように、今後も予想もつかない社会の変化が待ち受けているかもしれません。
こうした見通しのつかない、複雑化する時代を生きていかなければならない子どもたちには、グローバル化と同じくらい「プログラミング的思考」が必要となってくるのは確実と言えます。

さらに今後AIの登場によって、さまざまな仕事が機械に奪われてしまうと言われています。しかしクリエイティブな発想が必要な仕事は、生き残ると考えられています。またどんな職業に就いたとしても、自分の能力や考えを上手にアウトプットして相手に伝える「プレゼンテーション力」や「仮説力」そして「創造力(クリエイティブ)」は今のところ人間だけができる力だと思っています。
特に「仮説力」、つまり「もしかしたらこうなんじゃないかなぁ」という何か課題や問題を解決していく過程で思いつく「もしかしたら・・」という考えを持つことはすごく重要だと考えています。
プログラムには「if(もしもAだったらBだったら)」という条件分岐がありますが、これはあくまで条件分岐であって、仮説とは異なります。
「もしも」の部分を考える(または考えさせる)のが人間であり、仮説力を鍛えていくことがどんな分野においても基本だと思っています。

 

プログラミングを教えてくれる教室が増えてきている

2020年の新学習指導要領スタートを見据えて、プログラミングを教えてくれる教室が街中にも増えつつあります。それは、同時に親御さんの中にある「パソコンを使いこなせたり、プログラミング言語を学んでおいたりしなければ、新しい授業の進度についていけないのでは」という不安の表れともいえるでしょう。
確かに、学校に行って初めてパソコンのキーボードに触り、タブレットに触れたというお子さんと、普段からお家の中で自然と使いこなしてきたというお子さんでは、「コンピュータ」というものに対する身構え方も違ってくるでしょう。人差し指でいちいちひらがなを見つけてキーボードを打つ子と、ブラインドタッチで自由に文章を打てる子では、授業の楽しさも変わってきますよね。

そして「仮説力」や「クリエイティブ力」「プレゼンテーション力」などは、学校での学習だけではなかなか身につけられるものではありません。そこでプログラミングを専門に教えてくれる教室が増えてきているのです。

robotec(ロボテック)もそんな教室のひとつです。
自分でまたは仲間と協力してロボットを作る中で、楽しくプログラミングに関する基礎知識を学んでいきます。
仲間と協力する際には、チームワークやコミュニケーション能力・プレゼン能力が磨かれます。そしてロボットをみんなで知恵を出しあって完成させていく中で、ものごとを見通し、課題を解決に導く力も養っていきます。
学校におけるプログラミングの授業には、必ずしもパソコンやタブレット、ロボットなどが登場するわけではありません。でも、プログラミングの基本を学ぶためには「コンピュータは魔法じゃない、きちんとした手順にのっとって動いているんだ」という体験と感動が大いに役立つと考えられます。

お子さんの可能性は無限大だと思います。ロボット教室のrobotec(ロボテック)で「仮説力」「クリエイティブ力」「プレゼンテーション力」を養い、次の時代を切り拓いていく輝かしい子ども達に未来をを託してみませんか?

とーたか

とーたか

1975年佐賀県生まれ。エンジニアを目指し工業高校へ行くものの、なぜかデザインの世界へ寄り道し1994年に桑沢デザイン研究所へ。 この時ゼミとして受けていた授業の中で「インターネットというモノがこれからくるぞ」ということを知る。 2003年インターネットの世界へ。当時アニメーションを制作する際に使われたFlashと呼ばれるソフトで「ActionScript」というプログラミング言語に始めて触れ、プログラムの面白さを知ることに。 2005年に浜松町のWeb制作会社に勤務。10年以上にわたりウェブディレクターとして大手中小企業様のWebサイトを手がける。 「クリエイティブ力」の大切さと重要性に気づき、2017年に未来のエンジニアを育てる「ロボット教室のrobotec」を開校。