小学生向けプログラミング教室・ロボット教室は子ども達が対象となる体験型の学習スタイル

学校の授業と少し違うプログラミング教室・ロボット教室

近い将来、子どもたちは学校でPC(コンピュータ)を利用した「プログラミング」を学ぶことになります。
子どもたちが学校で学ぶ学習の内容は、基本的に学習指導要領によって定められています。学習指導要領に改変があると、学校での授業内容もがらりと変わってしまうことがあります。
近年ではゆとり教育が終了し、学習内容が多くなったことが記憶に新しいのではないでしょうか。
次に学習指導要領に大きな改変があるのは、2020年の予定です。すでにその内容は決まっており、もっとも大きな変化は英語教育の早期化とプログラミング教育への取り組みと言われています。

近い将来の変化についていくため、今から準備を始めているご家庭も少なくありません。たとえば小学校の低学年やそれ以前から、英語教室に通わせて英語力をアップさせたいと考えている親御さんはたくさんいますよね。街にも多くの英語教室が開校し、これまでに人気のあった学習塾の英語クラスも話題となっています。

ではプログラミング学習についてはどうかというと、プログラミングを学べる教室もありますが、子どもたちに人気があるのは「ロボット教室」で、基本的にはブロックを組立ながらロボットを作り、そのロボットを動かすためのプログラムを教えてもらったり、ロボットの仕組みなどを学べる場所となっています。

プログラミングを学ばなければならないのに、ロボット教室に通う…どんな因果関係があるのか!?パッと聞いただけではよくわかりませんよね。
学校で学ぶのはコンピュータに関する基本的な考え方や知識であり、俗に言われる「プログラム思考」
コンピュータを使って行う音楽や図工といった処理などです。また簡単なプログラミングも学びます。

ではなぜそうしたプログラミングを学ぶための教室が、ロボット教室なのでしょうか。
ロボテックも、プログラミングを学びたい子どものために開かれているロボット教室です。ここでは、基本コースからスタートし、レゴ社のマインドストーム®EV3というロボットを使ってプログラミングを学びます。
コンピュータのプログラミングを学ぶために、レゴ社のロボットを使う…ますます不思議なお話に思えてくるかもしれません。
でも、学校の授業とはちょっぴり毛色の違うこのロボット教室が、今後の社会を担う子どもたちに必要なスキルを磨くために非常に役立つのです。
では、学校の授業で学ぶプログラミングと、ロボット教室の学習内容についてもっと詳しく見ていきましょう。

 

科学や技術、数学や工学といった要素を体験しながら学べる

毎日学校へ通って勉強をしてくる子どもたち。学歴社会ではなくなったと言われていますが、それでも学校の成績は、親としては不安に思うものですね。
学校で子どもたちが何を学んでいるのか、気になる親御さんも少なくないですよね。教科書をながめて、自分が子どもだったころとかなり違っていることに驚きを感じることも多いのではないでしょうか。
たとえば社会科では、私たちが子どものころに習った内容とは違い、リサイクルなど環境への配慮が大変重要なコンテンツになっています。清掃工場への社会科見学は昔からありましたが、今はより深く学べるよう、工場側でも学習の場としての面が充分に整いつつあります。
少し前になりますが「エコロジー」と呼ばれる地球環境に配慮した考え方が重要視され、最近では「サスティナブル社会」に代表される、持続可能な未来の話まで小学校で取り上げられていますよね。

また理科では、身近なプラスティック製品の種類をしっかり学び、分別にどんな意味があるのかなどをきちんと学べるようになっています。
英語はこれまでも小学校で授業が行われてきました。成績のつく教科ではありませんでしたが、ネイティブスピーカーの先生と会話をしたり、遊びなどを通して異文化を学ぶなどの時間が、小学校高学年に設けられています。
ですから変化と言っても大きな変化ではなく、スタートする学年が2年早くなり、高学年になると成績のつく教科と認定されるといった比較的わかりやすい変化です。

でも、新しく始まるプログラミング学習については、まだまだ未知の部分が多く戸惑いも少なくないのが現状です。
プログラミング学習は、特に時間を設けて行われる訳ではありません。総合学習や算数・理科・音楽・図工など、さまざまな教科の中で、いろいろな形をとって学ぶことと定められています。
総合的な学習では私たちの暮らしの中にコンピュータがどれほど浸透しているかなどを学ぶなど、さまざまな角度から学んでいきます。中にはコーディングと呼ばれる本格的なプログラミングを行う機会もあるようです。

こうしたプログラミング学習は、学年を追うごとに高いスキルが求められるようになっていきます。特に重視されているのが、プログラミング的思考力というものです。
プログラミング的思考力とは、結果がどうなるかという仮説を立てて、そこに至るまでの手順を合理的に考え、その途中に起きる問題や課題を解決しながら新しいものを作り出す、クリエイティブな総合能力のことだと私は考えています。

こうした力は、学校の座学だけではなかなか身につきません。子どもたちにとって、何かを作り出す「遊び」の中で学び、身につけていくことが一番効果的です。
そこでロボット教室がオススメなのです。
ロボットを作り、動かす過程には科学や技術のほか、数学や工学といった、最近話題のSTEM教育の基礎的な知識も必要です。こうした知識も教科書になってしまえば難しい数字と図形の羅列ですが、クリエイティブな遊びの中で学べば「楽しく生きた知恵」となって子どもの中にしっかりと根付きます。

 

個人だけじゃなくチームで一緒に学ぶことができる

ロボット教室「ロボテック」では、個人でロボットの製作やプログラミンを行う以外に、2、3人程度の少人数でチームを組み、ロボットの製作に取り組むことも行います。
ロボットはレゴがベースになっており「マインドストーム®EV3」「WeDo 2.0」という教育用のロボットとを利用しています。
どのようにしてロボットを動かしていくかというと、頭脳として動く「インテリジェントブロック」に、7種類のセンサー類をつなげて動作を生み出します。
インテリジェントブロックは、初期段階ではまっさらな状態です。ソフトウェアをダウンロードし、そこからプログラミングをすることでロボットがさまざまな作業を行えるようにしていきます。

マインドストーム®EV3やWeDo 2.0のプログラミングはとっても簡単です。WeDo 2.0の対象年齢は5歳以上、マインドストーム®EV3の対象年齢は10歳以上になっていますが、最近のアプリやゲーム画面に慣れた子どもたちならすんなりと受け入れられるデザインが採用されています。
アイコンをドラッグ&ドロップするだけでプログラミングができるソフトなので、難しい話ではすぐ飽きてしまうというお子さんでも夢中になれそうですね。
最初はモデル組立図やサンプルプログラムを参考に簡単なプログラムを作ることからスタートし、チームのみんなとコミュニケーションしながらどんどん複雑なプログラムに進化させていくこともできます。並行処理プログラムも作れるので、複雑な動きにトライすることも可能ですよ。

個人で取り組むことも大切ですが、ロボテックのチーム学習には大きな意味があります。チームのみんなで課題に取り組み、問題を解決していくにはコミュニケーションをたくさんとる必要があるからです。
また、自分の考えをまとめ、相手に伝える能力、いわゆるプレゼンテーション能力も重要です。
仮説を立てて「どうなるか」を説明するには、頭の中で自分の考えを整理する必要があります。わかってもらうように相手に伝えるプレゼンテーション能力は、なかなか小学校では学びにくいかもしれませんね。
勉強が得意、優秀で覚えが早い子どもは「インプット」が得意なことが多いものです。しかし、これからの社会では「アウトプット」の能力に長けていなければ、仕事で成績を出していくことができません。
想像力を働かせて問題を解決するために必要となるロボットの動きや、構造を考える「仮説力」、そして納得が得られるように説明するための「プレゼンテーション能力」を身につけられることも、チーム学習が基本となっているロボテックの魅力のひとつと言えます。

 

ロボット作りプログラム作りの中でトライアンドエラーを繰り返し仮説力を磨く

ロボット作りやプログラミングは、基本を学ぶのはてとも簡単で、お手本に沿って製作を進めていくことで組み立てることができます。また、プログラミングもプログラムコードを書くのではなく、予め用意された ブロックを組み合わせることでプログラミングしていきますので、操作
とルールがわかれば理解できます。
ただ、これはお手本に沿った基本の組み立て方であり「では、こんな時はどうする?」とお手本にはないお題が出た時には、頭がフル回転します。
これまで学んだ基礎知識を引っ張り出し、過去の経験を探りながら、答えのない解答を導き出していきます。

何度も何度も仮設を立てて、手順通りにプログラミングし、実際に動かしてみる…仮説通りに動かないエラーは当たり前のように発生します。
でも子どもたちはあきらめません。自分たちの手で作り出したロボットがただ光ったり、一歩を踏み出すだけでも大きな感動と喜びを感じるものです。もっと違う動きが見たい、もっとすごい作業をさせたいという好奇心と探求心が、子どもたちに何度も頭をフル回転させて考えさせ、仮定を立ててトライさせます。何度エラーを繰り返しても挑戦し続け、ついには難しいプログラミングを成功させてしまいます。

こうした経験を何度も繰り返すことで、子どもたちはトライアンドエラーに慣れていきます。最近は失敗やつまずきに大変弱い子どもが多くなっていると言われています。でもトライアンドエラーに慣れて、失敗しても何度でも食らいつき、問題を解決しようと努力することが当たり前になっている子どもたちは、ちょっとしたつまずきで折れてしまうことがありません。
また、想像力も豊かになり、失敗するごとに仮説力が磨かれていきます。今人気の将棋のように、「これをこうすると、ああなるんじゃないかな?」という先々を読む力が伸びていきます。

今後AIに奪われてしまう職業がたくさんあると言われていますが、実はコンピュータには「if」の条件分岐(もしAだったら・・、もしBだったら・・)はありますが、未知の未来を想像する仮想の能力はありません。(今後出てくるかもしれませんが)
現在のところ、こうした仮説力や空想できる力は、人間だけに備わっている能力です。こうした力を発揮できる人材は、未来においても必要とされるでしょう。
そして、私たちはこの「仮説力」を最も大切にしていて、その「仮説」を元に「行動」して「検証」する。そしてその結果を、自分以外の人へ説明し理解してもらえるようになる力を育んでいきたいと考えています。

なぜロボット教室が注目され、ロボット作りのプログラミングが大切なのかご理解いただけたでしょうか。
小学生になると、子どもは親の手を離れ、目からも離れていきます。でもこうした場所を与えてあげることで、子どもの可能性はまだまだぐんぐん伸びていきます。
学習指導要領の改変を機に、みなさんのご家庭でもロボット教室の魅力やプログラミング教育の意味について、話し合ってみませんか。

とーたか

とーたか

1975年佐賀県生まれ。エンジニアを目指し工業高校へ行くものの、なぜかデザインの世界へ寄り道し1994年に桑沢デザイン研究所へ。 この時ゼミとして受けていた授業の中で「インターネットというモノがこれからくるぞ」ということを知る。 2003年インターネットの世界へ。当時アニメーションを制作する際に使われたFlashと呼ばれるソフトで「ActionScript」というプログラミング言語に始めて触れ、プログラムの面白さを知ることに。 2005年に浜松町のWeb制作会社に勤務。10年以上にわたりウェブディレクターとして大手中小企業様のWebサイトを手がける。 「クリエイティブ力」の大切さと重要性に気づき、2017年に未来のエンジニアを育てる「ロボット教室のrobotec」を開校。